広野町のみなさまへ
私の作品づくりは、その土地について色々と調べるところから始まります。そのために私は広野町や、町を取り巻くさまざまなものを五感を使って観察しています。歩きまわったり、写真を取ったり、メモを取ったりという具合です。
今回の広野町での滞在では、鳥小屋という伝統文化を参考にした立体の現代アート作品を作ることになっています。そして鳥小屋と同じように、私の作品も最後は燃やされます。
さて、私は広野町に滞在してみて、海というものがこの地域とその風景にとって、とても大きな役割を果たしていることに気づきました。海が人々の生活を育んでいること、海がこの土地の美しさを作り出していること、そして海がときには破壊をもたらすこと。
私はもともと、その土地で手に入る材料で作品を作ってきたのですが、広野町に来てすぐに私は、竹に魅力を感じました。そしてさらに何日間か広野町を歩き回ってみたあとで私が思いついたのは、2011年の東日本大震災で津波に覆われた土地で拾い集めた材料で作品を作るということです。つまり、海岸と常磐線の間で拾い集めた材料ということになります。今、私は海岸で竹や流木を拾い集めています。それと、鳥小屋のある場所の周りで草を刈って集めています。こうやって集めた材料を鳥小屋のある場所で組み上げて、作品を作っています。さらに竹と流木と草に加えて、人が作った素材を1種類使うつもりです(それが何になるかは、まだ決まっていません)。
もしも私の作品づくりに興味を持っていただけたのなら、是非、材料集めを手伝ってください。海と常磐線の間にあったものであれば、何でも気軽に持ってきてください。ただし、最後は鳥小屋と一緒に燃やされてしまいますから、燃やされても良いもので。
材料を持ってきてくれるだけでも嬉しいですし、いくつかの材料をご自分で組み合わせて持ってきていただくのでも結構です。どちらの場合でも、必ず私の作品に取り入れます。ただし、危険ですから制作途中の私の作品には近づいたり触ったりしないでください。また、制作中の私は作品に集中していることがあります。工具を片手に作品を睨んでいる最中の私は、良い作品を作るために、そして制作中に怪我をしないように「全集中!」しています。この短い期間で最高の作品を作るためです。そういう時には、私の「全集中」が終わるまで少し待っていてください。それから是非、翻訳アプリでお話ししましょう。
そしてもちろん、鳥小屋を燃やすときには私も現場にいますから、皆さんの感想を是非、聞かせてください。
ご招待いただきありがとうございました。
ナディン・バルドウ