はじめに
広野アーティスト・イン・レジデンス2025「日の出の松」
1月26日にはアーティストのハタノワタルさんのレクチャーを行いました。
ハタノワタルさんの本領発揮! 和室「清明館」でのインスタレーション。
ハタノさんは丹波の黒谷和紙の里で紙漉き、空間デザイン、そしてファインアートの3本柱で活動をされている方です。現在は社員が7人にまで増え、年商もびっくりするような金額になっておられます。
ハタノさんには、田舎に住みながらいかにして都会でのビジネスを展開するかということを具体的に教えていただきました。
その内容をかいつまんでご紹介しますと
田舎に拠点を置くメリット
- 不動産が安いので広大な制作スペースを容易に確保できる(二桁万円で巨大な倉庫を買ったそうです)
- スケジュールがタイトにならないのでゆっくり制作できる
- 打ち合わせは今はオンラインが基本なので都会に出る必要も無い
- 特に海外の案件なら関空にも2時間で行けるので、拠点はどこでも良い
- アーティストは「制作している時間」が長いのだから、その時間をどう過ごすかは重要である
- 田舎に住んでいると、都会からわざわざ作品を見に来る人がいっぱいいる。都会の人からすると、田舎にアーティストの工房や作品を見に行くことが楽しいイベント。
- 都会には無い風景や空間が黒谷和紙の里にはある。見に来た人の口コミが広がり、噂が噂を呼んで、工房を見に来る人は増え続けている。
ここに至る流れ
- 持続可能な生活と制作活動を探求し、27年前に黒谷和紙の里に拠点を置いた
- 最初は手作り市のようなところに出かけていって売っていた(今はアートギャラリーにも所属している)
- アート作品だけ作っているわけではなく、紙漉き職人の仕事もするし、空間デザインや建築の仕事もしている。アーティストという肩書に縛られず自由にやっている。
- 最近、自分と同じような思いを持つクリエイターが次々に黒谷和紙の里に移住してきている
現在の工房
- 自分が居なくなった後も今いるスタッフたちが仕事を続けられるようにする準備をしている段階
- 大きな工房を新しく手に入れたのも、自分以外のスタッフがそこで新しいことをやれるようにするため
- あと10年でスタッフに色々なものを引き継いでいく
- 会社経営は得意ではないがやるしかないからやっている
アート作品について
- ターゲット年齢層は自分と同世代に設定している。その世代にまず受け入れられることで、上下の世代に広がっていくという流れが出来ている。
- フットワーク軽く、あちこちの土地に作品を持ち込んで見てもらうことを精力的に続けている
- 今年だけでもう4回の展示があった。そうやって場数を多く踏むことで作品が洗練されていくと思う。
地域との繋がり
- 自治体や地区との繋がりを重視している。
- 地区の役員も積極的に引き受けている。
- 田舎の閉鎖性やプライバシーが無いというデメリットについては、黒谷和紙の里は自分が生まれた土地ではないので、子どもの頃からの自分を知っている人はいないし、27年も住んでいればもうそれなりの力があるから、昔から住んでいる人たちに引け目を感じることもない。
マーケティング
- SNSでの情報発信は積極的にやるようにしている
- 今一番力を入れているのはインスタグラム。スレッズやフェイスブックも重視している。
- 自分の作品のファンになってくれる人を一人発見出来ればしめたもので、営業エリアを広げればファンを10人獲得できる。
Japanese paper Washi | Wataru Hatano
2. 黒谷和紙漉き師・ハタノワタルがつくり出す、和紙のチカラ - Premium Japan
現在注目を集めているアーティストの一人、和紙漉き師のハタノワタル。800年という歴史を持ち、和紙の中でも大変丈夫で美しいと言われる黒谷和紙。自ら材料の楮(こうぞ)から育て、漉いた和紙を加工して暮らしの実用品や内装、施工まで手掛けるマルチアー...
ハタノワタル / Wataru Hatano 工藝
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ハタノワタル Wataru Hatano - 和紙敷板 Washi Tray | Road of Tea 茶ノ路 powered by BASE
ハタノワタルさんは、大学で油画を専攻していた際、偶然にも和紙を絵画の支持体として出会いました。その後、京都・綾部の「黒谷和紙」の産地で紙漉きの修行を積み、和紙を主材とした作品制作を始めました。彼の作品は、和紙の風合いや強度を保ちながら、美し...
Artists | Wataru Hatano | Wa.gallery-osaka-(ダブリューエーギャラリー)contemporary art gallery
Wa.galleryは大阪心斎橋にあるコンテンポラリーアートギャラリーです。和紙作家のハタノワタルの作品を中心に日本の残すべきものをテーマに展開
和紙職人 ハタノワタル | Washi Craftsman Wataru HATANO - KYOTO Art Gallery 百代 HAKUTAI
1971年淡路島生まれ。1995年多摩美術大学絵画科油画専攻卒。 大学時代に絵画の支持体として出会った和紙に興味を持ち,日本において過去より続いてきたものを継承し、次につなげていく仕事をしようと97年黒谷和紙にて紙漉きの修行をはじめる。 現...
APFR × KAMISUKI HATANO
日本発のフレグランスブランド「APFR」から、ハタノワタルが設立した黒谷和紙の工房紙漉キハタノへの別注アイテム「SHIKIITA」が登場した。